環境問題を正しく人に伝えられるようになろう!シリーズ
前回のおさらい
前回は、国連気候変動枠組条約とGHGインベントリについて解説しました。今回は、そこから生まれた「京都議定書」と「カンクン合意」を詳しく見ていきます。(前回の記事はこちら)
国連気候変動枠組条約だけでは「頑張ろう」という約束にとどまっていました。そこから生まれたのが「京都議定書」と「カンクン合意」です。この2つの違い、説明できますか?今回は一言でわかりやすく整理していきます。
📋 この記事の目次
1 京都議定書とは?一言で言うと
Kyoto Protocol
「先進国に温室効果ガスの削減目標を義務づけた国際的なルール」
1997年に、京都で開催されたCOP3(気候変動枠組条約締約国会議)で採択されました。
2 京都議定書は何を決めたのか 重要
Photo: Unsplash — 京都のイメージ
先進国に対して、「温室効果ガスを一定量削減しましょう」という数値目標を定めました。
日本の削減目標
2008〜2012年の平均排出量を
1990年比で6%削減
1990年比で6%削減
それまでの国連気候変動枠組条約は「温暖化対策を頑張ろう」という約束でした。しかし京都議定書では、「実際にどれだけ削減するか」という具体的な目標が初めて設定されました。
3 京都議定書の問題点 課題
削減義務が主に先進国だけに課されたため、次のような新興国には削減義務がありませんでした。
⚠ 削減義務がなかった国々
- 中国
- インド
そのため、世界全体の排出量削減には限界があるという課題もありました。
One Phrase / 京都議定書を一言でいうと
「先進国に温室効果ガス削減を義務づけた国際条約」
4 カンクン合意とは?一言で言うと
Cancún Agreements
「先進国だけでなく、途上国も温暖化対策に取り組むことを確認した国際的な合意」
Photo: Unsplash — 国際協力のイメージ
2010年に開催されたCOP16で、カンクンにおいて採択されました。
5 カンクン合意が決めた3つのこと 3本柱
主な内容は次の3つです。
01
気温上昇を2℃以内に抑える目標
世界共通の目標として、「産業革命前と比べて気温上昇を2℃以内に抑える」ことが正式に確認されました。
02
先進国・途上国ともに対策を実施
京都議定書では主に先進国が削減義務を負っていましたが、カンクン合意では「すべての国が温暖化対策に取り組むことが重要である」と確認されました。
03
途上国支援の強化
途上国が温暖化対策や適応策を進められるよう、資金や技術支援を行う仕組みが整備されました。
カンクン合意は、「世界全体で温暖化対策を進める方向性を明確にした」ことが大きなポイントです。後のParis Agreement(パリ協定)につながる重要なステップとなりました。
One Phrase / カンクン合意を一言でいうと
「先進国と途上国が協力して温暖化対策を進めることを確認した合意」
6 京都議定書とカンクン合意の違い
| 項目 | 京都議定書 | カンクン合意 |
|---|---|---|
| 採択年 | 1997年 | 2010年 |
| 会議 | COP3 | COP16 |
| 対象国 | 主に先進国 | 先進国+途上国 |
| 特徴 | 数値目標を初めて設定 | 2℃目標を確認・途上国支援を強化 |
| 課題 | 新興国に削減義務なし | 法的拘束力は限定的 |
7 まとめ|次回予告
📌 今回のおさらい
- 京都議定書:先進国に削減目標を初めて義務づけた(1997年・COP3)
- 京都議定書の課題:中国・インドなど新興国に削減義務がなかった
- カンクン合意:先進国・途上国ともに対策を進める方向性を確認(2010年・COP16)
- カンクン合意の3本柱:2℃目標・全ての国の参加・途上国支援
Summary / まとめ
京都議定書とカンクン合意の重要ポイント
- 京都議定書は「先進国に削減を義務づけた」最初の国際条約
- 新興国に義務がなかったことが大きな課題として残った
- カンクン合意で「すべての国が対策に取り組む」方向性が確認された
- この流れが、後のパリ協定へとつながっていく
次回は「パリ協定」をより詳しく解説
次回は、現在の気候変動対策の中心となっている「パリ協定」について、目標の中身から日本の取り組みまで詳しく解説していきます。お楽しみに!