前回は、先進国に削減を義務づけた「京都議定書」と、すべての国の取り組みを確認した「カンクン合意」を解説しました。今回は、その流れの先にある「パリ協定」です。(前回の記事はこちら)
ニュースで毎日のように耳にする「パリ協定」。いまの気候変動対策の土台となっている国際的な約束です。「1.5℃目標」「NDC」といった用語も、一言で整理すればシンプルです。今回は、京都議定書との違いも含めてわかりやすく解説します。
1 パリ協定とは?一言で言うと
2015年12月、フランス・パリで開かれたCOP21で採択され、2016年11月に発効しました。先進国だけでなく、途上国を含むすべての国が参加する初めての本格的な枠組みです。
2 パリ協定が決めた3つのこと 3本柱
3 NDC(国が決定する貢献)とは 重要
NDCはNationally Determined Contributionの略です。パリ協定では、国ごとの事情に合わせて各国が自分で目標を決める方式が採られました。日本が国連に提出した目標は次のとおりです(2013年度比)。
※2030年度は50%の高みに向け挑戦を続ける方針。2035・2040年度目標は2025年2月に国連へ提出。出典:外務省ほか
4 京都議定書・カンクン合意との違い
| 項目 | 京都議定書 | カンクン合意 | パリ協定 |
|---|---|---|---|
| 採択年 | 1997年 | 2010年 | 2015年 |
| 対象国 | 主に先進国 | 先進国+途上国 | すべての国 |
| 目標の決め方 | 上から割り当てる | 各国が自主的に表明 | 各国が自分で決める(NDC) |
| 気温目標 | なし | 2℃以内 | 2℃未満・1.5℃を目指す |
- 京都議定書は「上から割り当てる」方式
- パリ協定は「各国が自分で決める」方式
- その分、すべての国が参加しやすくなった
5 パリ協定の課題 課題
- 各国の目標を足し合わせても、1.5℃に届くとは限らない
- そのため、5年ごとの見直しで目標を引き上げていくことが重要
「各国が自分で決める」ことで参加しやすくなった反面、目標の高さは各国次第です。だからこそ、定期的な点検と目標の引き上げが仕組みとして組み込まれています。
6 まとめ|次回予告
- パリ協定:すべての国が参加する気候変動の国際的な約束(2015年・COP21)
- 3本柱:2℃未満・1.5℃を目指す/NDCを5年ごとに更新/5年ごとに点検
- NDC:各国が自分で決めて国連に出す削減目標
- 課題:目標が自主的なため、足し合わせても足りない可能性がある
パリ協定の重要ポイント
- パリ協定は「全員参加」の気候変動対策の枠組み
- 目標は「各国が自分で決める(NDC)」方式
- 5年ごとの見直しと点検で、目標を引き上げていく
- 日本は2050年ネット・ゼロを目指している
次回もお楽しみに!
次回も、環境問題の用語や流れを一言でわかりやすく解説していきます。