公害防止管理者

大気関係公害防止管理者の勉強法|主要分野と試験科目を整理

「大気関係公害防止管理者では、具体的に何を勉強するの?」——これから受験を検討している方が最初につまずきやすい疑問です。大気関係では、大気汚染の仕組みそのものだけでなく、法規制・大気汚染の現状・発生機構、さらには燃焼・排 […]

公開
読了目安
7 min read
公開前確認
編集部が確認済み

「大気関係公害防止管理者では、具体的に何を勉強するの?」——これから受験を検討している方が最初につまずきやすい疑問です。大気関係では、大気汚染の仕組みそのものだけでなく、法規制・大気汚染の現状・発生機構、さらには燃焼・排煙脱硫・NOx対策・ばいじん粉じん対策・有害物質対策・拡散予測まで、複数の専門領域を学びます。この記事では、JEMAI(一般社団法人産業環境管理協会)の公式資料にもとづいて、大気関係の試験科目と学習範囲を整理します。

この記事で分かること

  • 大気関係公害防止管理者の試験科目(公式に確認できる範囲)
  • 大気概論から大規模大気特論まで、各科目で学ぶ内容
  • 大気汚染防止法と試験範囲の関係

大気関係公害防止管理者とは?

大気関係公害防止管理者は、ばい煙発生施設などを持つ「特定工場」に選任が義務づけられている国家資格の一区分です。第1種から第4種まであり、対象となる施設の規模や、有害物質発生施設かどうかによって区分が分かれています。資格制度全体の仕組みや、選任・届出のルール、第1〜4種の詳しい違いについては、公害防止管理者の資格ページで解説していますので、あわせてご覧ください。

大気関係の試験科目を整理

大気関係の試験は、全区分共通の「公害総論」に加えて、大気関係専門の科目で構成されています。専門科目は次の5科目です。[1]

  • 大気概論
  • 大気特論
  • ばいじん・粉じん特論
  • 大気有害物質特論
  • 大規模大気特論

このうち、第1種で求められる科目構成はJEMAI公式のFAQで明確に確認できます。「公害総論を除く5科目」という表現が使われており、これは大気関係第1種が公害総論+専門5科目=合計6科目で構成されることを意味します。[2]

第2種・第3種・第4種については、JEMAI公式の試験時間割で、第2種・第3種が5コマ、第4種が4コマとされていることが確認できます。ただし、この資料は時間割を示すグリッド形式の資料であり、どのコマがどの科目に対応するかまでは、今回確認した範囲では特定できませんでした。第2〜4種の具体的な科目の組み合わせについては、本記事では断定しません。受験される区分の正確な科目構成は、JEMAI公式サイトで最新の情報をご確認ください。[3]

各科目では何を学ぶ?

ここでは、JEMAI公式の「試験科目の範囲」にもとづいて、5つの専門科目の内容を整理します。[1]

大気概論

大気概論は、大気汚染とは何か、なぜ規制するのか、どのような仕組みで発生するのかという基礎領域です。公式範囲は、大気汚染防止対策のための法規制、大気汚染の現状、大気汚染の発生機構、大気汚染による影響、国又は地方公共団体の大気汚染防止対策の5項目です。他の専門科目を学ぶ土台になる科目といえます。

大気特論

大気特論は、燃料・燃焼計算・燃焼方法及び燃焼装置・排煙脱硫技術・窒素酸化物排出防止技術・測定という範囲です。燃料を燃やすとどのような排ガスが出るのか、それをどう処理し、どう測定するのかという一連の流れを扱う科目です。

ばいじん・粉じん特論

ばいじん・粉じん特論は、処理計画・集じん装置の原理、構造及び特性・集じん装置の維持管理・一般粉じん発生施設と対策・特定粉じん発生施設と対策及び測定・ばいじん粉じんの測定という範囲です。この記事では、集じん装置の詳細な技術解説までは扱いません。

大気有害物質特論

大気有害物質特論は、有害物質の発生過程・有害物質処理方式・特定物質の事故時の措置・有害物質の測定という範囲です。有害物質がどのように発生し、どう処理・測定されるかを学ぶ科目です。

大規模大気特論

大規模大気特論は、拡散現象一般・拡散濃度の計算法・大気関係環境影響評価のための拡散モデル・大気環境濃度の予測手法・大規模設備の大気汚染防止対策の事例という範囲です。大気汚染物質が排出された後、どのように広がっていくのかを考える領域です。

大気汚染防止法と試験範囲

大気概論の「法規制」に関する内容の土台になっているのが、大気汚染防止法です。環境省の解説によると、大気汚染防止法は昭和43年(1968年)に制定された法律で、大気環境の保全、国民の健康の保護、生活環境の保全を目的としています。[4]

規制の枠組みは、ばい煙の排出規制、揮発性有機化合物(VOC)の排出抑制、粉じんの排出規制、有害大気汚染物質対策の推進という4つの柱で構成されています。[4]大気概論で「法規制」を学ぶ理由は、こうした規制の枠組みが、大気関係の公害防止管理者が実務で扱う対象そのものだからです。

勉強するときに意識したいポイント

ここからは公式の試験範囲そのものではなく、EcoLogとしての学習の進め方の一例です。「この順番が公式の勉強法である」という意味ではありません。

①まず大気概論で全体像をつかむ
法規制・現状・発生機構・影響・対策という5つの切り口を先に理解しておくと、他の専門科目に進んだときに位置づけがつかみやすくなります。

②燃焼と排ガス処理をつなげて考える
大気特論の内容は、燃料→燃焼→排ガス→脱硫・NOx対策→測定という一連の流れとして捉えると整理しやすくなります。

③ばいじん・粉じんは装置の原理と目的を対応させる
装置名だけを暗記するのではなく、その装置が何を目的として使われるのかとセットで理解すると定着しやすくなります。

④有害物質は「発生→処理→測定」の流れで整理する
大気有害物質特論も、大気特論と同様に一連の流れとして捉えると理解しやすい科目です。

⑤大規模大気は「拡散→予測→対策」で理解する
大規模大気特論は計算が含まれる科目のため、早い段階で出題形式を確認しておくことをおすすめします。

水質関係と何が違う?

大気関係と水質関係では、専門科目が対象とする環境媒体と技術領域が異なります。どちらが簡単か難しいかという優劣ではなく、扱う対象が異なると理解しておくとよいでしょう。

大気関係水質関係
燃焼水処理
排煙脱硫生物処理
NOx対策BOD・COD
集じん活性汚泥法
大気拡散排水処理

水質関係の試験科目については、公害防止管理者の資格ページから水質関係の記事もご確認いただけます。

まとめ

大気関係公害防止管理者は、大気概論から大規模大気特論まで、複数の専門領域から構成される試験です。第1種については、公害総論+専門5科目=合計6科目という構成が公式資料で確認できます。第2〜4種の詳細な科目の組み合わせは今回確認できなかったため、受験前にJEMAI公式サイトで最新の情報をご確認ください。まずは公式の試験範囲を確認したうえで、大気概論から順に学習範囲を分解していくと、全体像をつかみやすくなります。

公害防止管理者制度全体の共通科目については公害総論の記事もあわせてご覧ください。

参考資料・出典

  1. 一般社団法人産業環境管理協会(JEMAI)「試験科目の範囲」 JEMAIの資料を見る(PDF)
  2. 一般社団法人産業環境管理協会(JEMAI)「国家試験制度の概要(科目合格・科目免除について)」 JEMAIのFAQページを見る
  3. 一般社団法人産業環境管理協会(JEMAI)「試験区分別・科目別試験時間」 JEMAIの資料を見る(PDF)
  4. 環境省「大気汚染防止法の概要(固定発生源)」 環境省サイトを見る

※ 大気関係第2〜4種の具体的な試験科目の組み合わせ、および施設規模の詳細な基準の一部については、本記事執筆時点で確認できた一次資料の範囲では断定的な記載を避けています。受験にあたっては、必ずJEMAI公式サイトで最新の情報をご確認ください。