BODとCODは、どちらも水の汚れ具合を示す代表的な指標ですが、何をどう測っているかは異なります。この記事では、それぞれの意味と違いを一次情報にもとづいて整理しました。
この記事で分かること
- BOD(生物化学的酸素要求量)とは何か
- COD(化学的酸素要求量)とは何か
- BODとCODの違い
- 河川と湖沼・海域で使われる指標が異なる理由
BODとは
BOD(Biochemical Oxygen Demand、生物化学的酸素要求量)は、微生物が水中の有機物を分解するときに消費する酸素の量を表す指標です。数値そのものは有機物の量ではなく「微生物がその有機物を分解するために使った酸素量」であり、この値が大きいほど、分解されるべき有機物が多く、汚濁の程度が大きいと考えられます。[1][2]
CODとは
COD(Chemical Oxygen Demand、化学的酸素要求量)は、酸化剤を使って水中の物質を化学的に酸化するときに消費される酸化剤の量を、酸素量に換算して表す指標です。BODが微生物によって分解できる有機物を対象とするのに対し、CODは酸化剤で酸化できる範囲の物質(微生物が分解しにくい物質を含む)まで対象になります。[1][2]
BODとCODの違い
| 項目 | BOD | COD |
|---|---|---|
| 正式名称 | 生物化学的酸素要求量 | 化学的酸素要求量 |
| 測定の考え方 | 微生物による分解で消費される酸素量 | 酸化剤による酸化で消費される酸素量 |
| 測定にかかる時間 | 20℃で5日間 | 数十分程度 |
| 環境基準での主な対象水域 | 河川 | 湖沼・海域 |
| 単位 | mg/L | mg/L |
BODとCODは測定の原理が異なるため、同じ水でも必ずしも同じ数値になるとは限りません。外部からの汚れの流入が少ない水域ではCODがBODより高く出る傾向がある一方、食品関係の排水のように微生物が分解しやすい有機物が多い場合はBODがCODより高く出る傾向があるとされています。そのため、BODとCODの数値をそのまま同じ尺度として単純比較することはできません。[3]
水質評価ではどう使われる?
日本の環境基準では、水の流れがあり微生物による自然浄化が働きやすい河川ではBODが、水が滞留しやすく微生物では分解しにくい物質も蓄積しやすい湖沼・海域ではCODが、生活環境項目の代表的な指標として使われています。[3][4]
環境省が公表した令和6年度の公共用水域水質測定結果では、BODを用いる河川で93.9%、CODを用いる湖沼で50.8%、海域で78.2%の水域が環境基準を達成しています。[5]
よくある質問
Q. BOD・CODの数値が高いほど水が汚いということですか?
A. 一般的には、数値が高いほど分解・酸化される物質が多く、有機汚濁の程度が大きいことを示すとされています。ただし水域の種類や汚れの成分によって傾向が変わるため、数値だけで一律に判断せず、参考指標として捉えることが大切です。
Q. BODとCODはどちらか一方だけ測ればよいのですか?
A. 対象とする物質の範囲や測定にかかる時間が異なるため、目的や水域に応じて使い分けられています。同じ水を両方測定して比較する調査も行われています。
まとめ
BODは微生物による分解、CODは酸化剤による酸化という、異なる原理で汚れを測る指標です。日本の環境基準では、河川にBOD、湖沼・海域にCODが主に使われています。数値の意味を理解したうえで、水域や目的に応じた指標として活用することが大切です。
参考資料・出典
- 環境省「水質汚濁に係る環境基準」 環境省の解説ページを見る
- 徳島市「BOD、CODとはどういうものですか?」 徳島市公式サイトを見る
- 大阪府立環境農林水産総合研究所「水の環境基準の項目として用いられているCOD、BODは、どう違うのか?」 大阪府立環境農林水産総合研究所の解説ページを見る
- 環境省「生活環境の保全に関する環境基準(海域)」 環境省の解説ページを見る
- 環境省 報道発表資料「令和6年度公共用水域水質測定結果及び地下水質測定結果について」 環境省の発表資料を見る
※ 上記の出典は2026年8月時点で確認したものです。環境基準達成状況等のデータは年度ごとに更新されるため、最新の情報は各機関の公式サイトでご確認ください。